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Robert Frost 『The road not taken』 ロバート・フロスト「選ばれざる道」詩の和訳 

黄色い森の道

今回の記事では、アメリカの作家、ロバート・フロストによって書かれた詩[The road not taken]を紹介します。

この詩は、1916年にヘンリーホルトによって出版された、[Mountain Interval]という詩集に含まれています。

人生とは長い長い旅で、時に選択を迫られるものです。

まさに今、選択を悩んでいるところだという方も多いことでしょう。

そんな人に読んで欲しい記事です。

結局のところ、選択した道は一つで一方の道を選んだら、もう一方の道は選べません。どちらの道を選ぼうと人生どうなるかは誰にもわかりません。

たとえその選択がポジティブなことであろうと、ネガティブなことであろうと進むことのできる道は一つです。

この詩については、他言語であるゆえの意味の捉え方の違いもあるかも知れませんが、詩としても捉え方は人それぞれ違うと思います。

一度読んでみて、自分の悩む道、選ぼうとしている道をもう一度考え直すきっかけになれば良いなと思います。

それでは、いきましょう。

Contents

ロバート・フロストって誰?

詩を見る前に作者の紹介をさせてください。

(作者は気にしないという方はここから詩へ)

作者は Robert Lee Frost(ロバート・リー・フロスト)

アメリカ出身の詩人です。

1894年生まれ、1963年死没

ケネディ大統領が暗殺された年に亡くなられています。激動の時代ですね。

社会に対するテーマや、哲学的なテーマを対象にした詩が多く、人気もあり多くの人に知られていた有名な詩人です。

Pulitzer Prize(ピューリッツァー賞:アメリカ合衆国における新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲の功績に対して授与される賞)を4度受賞しています。映画「スーパーマンリターンズ」のロイス・レインがスーパーマンの必要性について書いた記事で受賞していましたね。笑

アメリカの子供たちはフロストの詩を学校で学ぶほど、親しまれています。

『The road not taken』 の和訳

レクトラ
レクトラ

それでは、和訳を見て行こう!

以下、和訳です。意味がわかりやすいように意訳しています。

黄色い森の道
 Two roads diverged in a yellow wood,
 And sorry I could not travel both
 And be one traveler, long I stood
 And looked down one as far as I could
 To where it bent in the undergrowth;
 
黄色い森の中で、道が二つに分かれていた。
残念ながら、私は両方の道を進む事はできない。
一人で旅をする私はしばらく立ち止まっていた。
片方の道をできるだけ奥まで覗いてみると、
その道は、奥の方で草むらに紛れて見えなくなっていた。
 

 Then took the other, as just as fair,
 And having perhaps the better claim,
 Because it was grassy and wanted wear;
 Though as for that the passing there
 Had worn them really about the same,
 
そして、もう片方の道を覗いてみると、こちらももう一方の道と変わららなかったが、何か良さを感じた。
それは草が生い茂っていて、踏み荒らされていなかったからだと思う。
もっともその道を通ることによって、ほとんど同じようになってしまうのだが。
 

 And both that morning equally lay
 In leaves, no step had trodden black.
 Oh, I kept the first for another day!
 Yet knowing how way leads on to way,
 I doubted if I should ever come back.
 
あの日、どちらの道も同じように、まだ誰にも踏まれずに黒ずんでいない落ち葉に埋もれていた。
よし、最初の道は別の日に取っておこう!そう思った。
しかし、その選んだ道が先へ先へと続いていたから、2度とこの場所へ戻っては来ないことを、私は知っていた。
 

  I shall be telling this with a sigh
 Somewhere ages and ages hence:
 Two roads diverged in a wood, and I—
 I took the one less traveled by,
 And that has made all the difference.The road not taken(選ばれざる道)
 
私はこの先、ため息まじりにこの話を語り続けるつもりだ。
今から何十年先になっても語り続ける。
「ずっと昔に、森の中で道が二つに分かれていてね、私は
私は、踏みならされていない道を選んだ。そしてそれが、大きな違いを生んだんだ。」ってね。 

まとめ

いかがだったでしょうか?

”みんな違ってみんな良い”なんて言葉があるように人それぞれ捉え方は違うと思います。

私は、この詩を読んでこう感じました。

最後の文の”I shall be telling this with a sigh

このため息に後悔の気持ちが入っていると。

ため息には、安堵、安心 ⇄ 後悔、疲れのような感情としても捉えることができますよね?

実際、詩中にはどちらかは言及されていません。

選んだ道が後悔なのか、はたまた安堵なのか、

読んだ人が決めたら良いと思います。

それも選択です。

以上!また次回の記事で!